地震が起こった際の建物への被害について考えておかなければならないのですが、あらかじめ地震対策を施すだけでその影響は大きく軽減できます。
建物への対策として代表的な建築技術は、「耐震」「免震」「制震」の3つが挙げられます。
・耐震
建物の強度を上げて、地震の揺れに耐えるというものです。柱や壁の量を増やす・補強材を使用するなどで強化を図り、建物に強度を持たせます。地震の揺れは建物へ直接伝わるため、階層が上がるほど大きくなりますが、耐震構造を取り入れることで倒壊や崩壊などの危険性を減少させることができます。既存の建物の補強もできるので、古い住宅の地震対策にも採用できます。
・免震
建物と基礎の間に揺れを受け流す装置を取り付け、建物への影響を軽減させるものです。注文住宅や新築など建築時での設置が基本で、大がかりな工事が必要になります。建物だけでなく家具・食器類にまで、揺れの影響を制限できます。3つの工法のなかで、最も建物への影響を軽減でき、安全性も非常に高いものといえます。
・制震
建物の内部にダンパーなどの制振装置を取り付け、地震によるエネルギーを吸収することで、建物への影響を軽減するシステムです。免震ほど大がかりな工事にならないので、建築費に占める割合は比較的低くなります。そのうえ、耐久性にも優れ、施工後のメンテナンスが基本的には必要がないということから、コストパフォーマンスに優れているといっても良いでしょう。